今回の藤枝地酒ツアーの宿泊地は、東海道五十三次の宿場町だった岡部の「大旅籠 柏屋」です。「かしばや」と読みます。現在は資料館になっており、元旅籠ですが、現在は宿泊施設ではありません。ということで、藤枝市役所の方の特別な計らいにより、今回は宿泊することができました。
ちなみに、前回に宿泊したのはスポーツ少年団の子供たちだそうで、人が宿泊するのは10数年ぶりになるようです。
しかも、そんな貴重な宿泊体験をした上に、今回の懇親会の会場がこちらということですから、期待に胸が高鳴ります。「普段は宿泊施設ではないので傍観をしっかりお願いします」と言われており、どんだけ寒いのかとドキドキしたのですが、館内の暖房が効いており、武士が宿泊したという畳の部屋は快適でした。
オジ旅恒例の顔ハメがあったのでパチリ。
東海道中膝栗毛の弥次喜多が座っていたのですが、これを夜に見るとビビるビビる。暖簾をくぐってうっかり目にして、飛び上がるほど驚いてしまいました。夜に見ると、かなりリアルです。
「どうだい、一杯やらないかい?」
食事の前に館内を見学しました。
江戸時代の旅文化が見られたのですが、これが面白かったんですねぇ。「現代ならどうか」なんてことを、考えながら旅グッズを眺めました。
「おさるの籠や」という童謡に「小田原提灯ぶら下げて」という一節がありますが、これでしたか!
携帯用マクラ。宿だけでなく、寺とか宿泊施設ではないところで寝ることもあったため、枕を持ち歩いたそうです。
弁当箱。箸は伸縮します。
仏様も持ち歩いたんですね。
キセル。
紙のそろばんも!
各宿でどんなものが食べられていたか。
岡部宿の夕食です。
宿泊した武士の名前。
以下、伺った話です。
・東海道五十三次の21番目
・岡部の宿場は本陣が二つ、脇本陣が二つ
・岡部には27の旅籠があった、その一つが柏屋
・東海道では一つの宿場に54の旅籠が平均
・岡部は少なかった
・なぜ大か?
・間口は普通は3-4間、柏屋は9間、広いと税金もかかった
・柏屋は山内さんが1700年くらいからやってると言われている、質屋もやってる
・武士が泊まることが多かった
・昔は10里歩いた、旅籠は4時から旅人は出立
・1泊200-300文
・柏屋の前の道が旧東海道
・179年前に作られている
そして「大旅籠 柏屋」で夕食兼懇親会が行われました。
今回、ツアーの開催に尽力された藤枝市役所の方たちです。いろいろとお気遣い頂き、ありがとうございました!
蔵元の方たちも参加されました(笠をかぶってます)。
こちらが「一祥庵」から、わざわざ運ばれてきた夕食です。
野菜は畑で作られたものだそうです。新鮮な野菜は、それだけで美味しい。どの料理も、日本酒を呑むのに素晴らしいアテになりました。
「家康の最期」という講談も聞かせて頂きました。生講談を目にするのは初めて。あの、パンパン! と机を叩くのが空気がピリッとして良いですね。現代風というか、昨今の時流に合わせて話も展開されました。面白かったです。
〆は自然薯のとろろ汁。これが最高!!!
もちろんら天然の自然薯です。
たまらない粘り気。春くらいまで食べられるそうですが、わざわざ東京から食べに来る人もいるくらいだそうです。天然の自然薯は、なかなか食べる機会がないですよね。
そして、場所を隣の部屋に移して二次会に。一升瓶が林立しました。蔵元や米農家の方も残ってくださいましての二次会です。濃い話が聞けました。
肴は持ち寄ったりしまして。椎茸が美味しかった!
山芋のザク切りも最高でしたねぇ。日本酒には、こういうのがいいんすよね。
この日、どんなお酒を呑んだかは別の記事に書きますね。
ということで、かつては武士が宿泊したという畳の部屋に、みんなで雑魚寝したのでありました。文化財に泊まる、貴重な経験!