呉の日本酒「千福」酒造見学
呉には昔から愛されている日本酒の千福(三宅本店)があります。「呉には」と言っても戦時中、一時期は日本一の石数になったこともある日本酒メーカーです。
今回は千福の酒造見学と特別に試飲もさせていただきました。工場の中の部分は撮影できないところも多くありますので、外の一部をご紹介します。
この煙突は大正12年(1923年)に建造されたもので耐熱性のある特別な白煉瓦でできているそうです。
平成16年(2004年)重油式ボイラーからガス式ボイラーに変わったのを機に使われなくなりましたが、現在も「千福の歴史の象徴」として残されているそうです。
全国の海軍に納入されていた「千福」
1920年清酒「呉鶴」を軍艦浅間に搭載して220日余りの日を赤道2回通過しても味に変質がなかったということで、1925年に海軍中佐が作成した証明書が掲示されています。
それ以後、全国の海軍に「千福」が納入されるようになったそうです。
そして1940年、世界最大最強の軍艦と言われて完成した戦艦「大和」の進水式にも振る舞われ、戦艦「大和」にも納品されたのも「千福」です。
「この世界の片隅に」と千福
こうの史代さん原作の「この世界の片隅に」。この中で主人公すずさんが遊郭の付近で道に迷ってしまったとき、背景に「千福」の看板が出てきます。そのシーンは当時の資料を元に忠実に再現されたものだそうです。
そんな繋がりもあり、映画化されるときには千福はスポンサーにもなりました。
「この世界の片隅に」の聖地として巡礼される方も多く、この世界の片隅にラベルのお酒も人気!
千福の日本酒 約20種類を試飲
さまざまな種類のお酒を造っている千福。オジさんたちは特別に試飲をさせていただきました。こんなにたくさん!
いつになく真剣なオジさんたちです。
約20種類のお酒を試飲させていただいたのですが、特徴的なもの一部をご紹介いたします。
無濾過生原酒 千福 たれくち
最近は冷蔵技術が発達したので酒屋さんで見ることもある無濾過。それでも蔵限定のものが多いそうです。
火入れ行程を飛ばした絞ってそのままのお酒ですが、不純物があるといけないからフィルターだけは通しています。
オジ旅1号「いいねぇけっこうこういうの好き」
オジ旅4号「あぁ今、鼻にぬけていきました」
純米大吟醸 無ろ過
より贅沢な「純米大吟醸の無濾過」
オジ旅1号「スペシャルローリングサンダーみたいだね」
オジ旅4号「あぁ~香りがいい。柑橘系というかグレープフルーツのような」
神力生もと純米無濾過原酒85
特別なお米、神力米(しんりきまい)を使ったお酒。昔の中国地方で主流だった神力米は米粒が山田錦のように大きいそうです。
明治大正時代は主流だった酒米ですが、栽培が難しいので徐々に減って最後はなくなってしまっていたそう。
そこで千福が、農業試験場から一握りだけもらい、社員の手で少しずつ育て今は酒造りができるくらいまで増えたのが神力米。
こちらの神力は昔の文献に基づいてつくっているので、今のお酒の味とは全く違うそう。アルコール度数は19度。純米酒は19度から20が限界で、それ以上醸造すると自分で出したアルコールで酵母が死んでしまうそうです。
オジ旅4号「この言い方があってるか分からないけど、ヨーグルトみたい」
1902年「呉鶴」の復刻
千福のお酒が海軍御用達になるきっかけとなった「呉鶴」。空襲で多くの資料が焼失してしまった中、当時の文献がでてきてそれをもとに復刻させたものです。
精米具合88%で12%しか削っていないもの。「食べるお米もない時代だったので極力削る部分を少なくしたのではないかと想像されます」とお店の方。
「呉鶴」は数が造れないので、お店とネットショップ限定で発売しています。
オジ旅1号「飲んだ瞬間は味がしない感じだけど、あとからくるねえ」
オジ旅4号「これが当時飲めたのだったら、そうとう旨かったんじゃないですか」
うきうきレモン酒、うきうきオレンジ酒、とろとろ梅酒
リキュール酒はまとめてご紹介。お米の甘みが柑橘系の酸味をまろやかに包んでいるお酒。焼酎と組み合わせたレモンのお酒よりもまろやか。
オジ旅1号「こんなの初めて飲んだねぇ」
ソーダ割りとかに使えるよう少し濃いめに作ってあるそう。
オジ旅1号は日本酒をソーダで割ることに驚き。お店の方によると、日本酒でも何かを混ぜた時点でリキュール扱いになるそうです。
アルコール4度から6度程度なのですが、それを感じさせないお酒です。
うきうきみかん酒のみかんは温州みかんを使用。オジ旅1号一口飲んで「これはみかんジュース!」
お酒を飲めない私オジ旅9号も普通に飲んでしまいました。美味しかった!
約20種類の試飲してオジさん2人が選んだのは
無濾過生原酒「千福」たれくち
オジ旅1号が選んだのは「千福」の無ろ過生原酒 たれくち。飲んだ瞬間の反応からしてもたれくちを飲んだときが一番激しかったですね。
激熱
オジ旅4号は熱燗専用のお酒「激熱」
感想はオジ旅4号のこちらの投稿でご覧ください。
お店での人気商品ランキングはこちら
千福オリジナルグッズが可愛い
今回うかがったギャラリー三宅屋商店には千福のお酒はもちろんのこと、オリジナルグッズもたくさん販売されています。千福の前掛け、てぬぐい、そしてグラスなど。グラスやぐいのみはお値段もお手頃で人気だそうです。
そして化粧品もありますよ。「お酒を扱っている人の肌は綺麗」とよくいいますよね。洗顔石鹸485円と化粧水2190円で千福美人になれます。
東京にもある!千福のお店
大満足の千福見学でしたが、探してみたら東京にも店舗があるではないですか!
■脱藩酒亭 新橋浪人店 立ち飲みで10人でいっぱいになるほどのお店。こちらの雰囲気のほうがオジさんたちにあいますね!
甘酒ソフトクリームが絶品だった
そして別記事でご紹介しましたが、千福で食べた甘酒ソフトクリームがとんでもなく美味しかったのです。
呉のお酒「千福」の甘酒ソフトクリームが想像をはるかに超えた美味しさだった! #オジ旅 #呉市 #千福 #この世界の片隅に
千福
今回の千福酒造見学と試飲はオジ旅のためにご用意いただいたものですが、一般の方も参加できる見学を実施されています。詳しくは千福のこちらのページでご覧ください。
■工場見学「酒工房せせらぎ」|千福
千福の商品はオンラインショップで購入できます。限定商品もオンラインで販売されているので要チェックです!
■千福 オンラインショップ