「オジ旅とセブ留学するんでしょ。面白そうじゃないですか。僕も行っていいですか?」
友達の南さん(オジ旅373号)にそう言われた。3月30日のことです。でも、南さんは英語できるから、学校ですることがない。でも、突然現れたら面白い!
これがキッカケでなにか面白いことがしたくなった。最初に閃いたのは「ガキの使いの笑ってはいけない」。フリータイムをEOP(英語しか喋ってはいけない)にして、日本語を喋ったら、遠くから全身黒タイツがやってきて、バットでシバくのだ。早速「ダダーン、○○ アウト!」という音声をiPhoneにダウンロードして、セブ在住の友達に打診したらヤル気満々。すぐにドンキホーテに行った。でも、プラスチックバットを見てるときに我にかえった。
大掛かりすぎる。荷物が増えるし無理だ…。
忘れたころに、またメールが来た。
「タナカさん(オジ旅25号)も行くって言ってますよ。みんなでドッキリしかけましょう。今日これから作戦会議しませんか?」
南さんもタナカさんもオジ旅とは仲良し。この2人が突然現れたら面白い!たまたまコグレさんと晩ご飯を食べていたから、集合時間は22時にした。急遽銀座に集合。
「こういうのは本気でやらないと面白くない。本気でやろう!!!」
熱っぽく語るタナカさんは30分後にはいつものように寝ていた。解散したのは朝5時だが、セブの話はほとんどしていない…。4月20日。セブ弾丸ツアーまであと1ヶ月。
何も決まってないけど、仕事ができる経営者は行動が早い。次の日には購入したチケット情報が送られてきた。
タナカさんは1泊2日。南さんは2泊3日。オジ旅を驚かせるためだけに2人の経営者は現れる。
大人の遊びです。
飛行機の到着は15時20分、学校には遅くても17時には着くだろう。17時から18時の間に登場してもらって、みんなでご飯に行きたい。この計画のため、オジ旅の授業は9時から16時までにして、16時から18時をフリータイムとした。
そして、2人がどんな登場をしたら面白いか考えた。
南さんの登場案は以下3つ。
1.英語の先生
夕方にフリーのグループクラスを作る。オジ旅メンバーが教室に行くと変装した南さんが登場して、先生として授業をする。絶対に日本語を話さず、他人のそら似と言い切って、熱い授業をして、「また明日!」と去って行く。ミスターサウス
2.学校の共同経営者
学校の日本人オーナーが「現地パートナーを紹介させてください。」と言って、紹介されるのが南さん。フィリピン人に変装した彼は英語でいい話をする。
3.学校を買収しにきた人物
学校オーナーから、「実は僕はこの学校を手放すんです…。」と告白されて紹介される新外国人オーナー。自分の学校ポリシーを語る。
タナカさんはクラブで登場してもらおうと思った。クラブが大好きな南さんが「みんなでクラブに行こう!」と言って、行ったクラブのステージでタナカさんが踊っているのだ。絶対面白い。タナカさんにメールしたら、大きな「いいね」がかえってきた。
でも、よくよく考えるとこの登場だと、タナカさんはみんなと一緒にご飯を食べられない…。せっかく1泊2日で来てくれるのに、1人でご飯を食べて、クラブで長い時間待機してもらうのはさすがに申し訳ない。
しかし、いいアイデアが思いつかない。路上でバロットを売ってるとか、道でバッタリすれ違うとか。普通のアイデアしか思いつかない状態で、セブ出発の日が来てしまった。
オジ旅メンバーと一緒にセブ入りするつもりだったけど、チケットを捨てて、1日前にセブに入った。学校オーナーの小仲さんに事前に説明しておきたかったからだ。ツナギを渡して、状況を説明した。
「驚かせるためだけに来る人がいるんですか?1泊で?オジ旅って何なんですか?」
「酒好きのオジサンたちです。」
次の日、オジ旅メンバーがセブに到着した。空港まで迎えに行って、ガイドとしての仕事が始まったが、その傍らで、南さんとタナカさんとやり取りしていた。
僕が忙しいことを知らないオジ旅メンバーは言う。
「中谷さん、オジ旅のサイトに記事を書いてくださいよ。僕らは授業で忙しいので。」
黙って記事を書いた。
あっという間に一日が終わり、タナカさんの登場方法が決まらないまま、次の日がやってきた。
セブに向うタナカさんがポロッと言った。
「ホテルのプールでひなたぼっこしてるから、あの方がホテルのオーナーのMr.チャウですって紹介してよ。」
ピカーンと光った!グッドアイデア!学校はクラウンリージェンシーという四つ星ホテルと提携していて、料金が高い宿舎に滞在している生徒は、クラウンリージェンシーのジムやプールが使える。だから、学校オーナーの小仲さんが外部施設のクラウンリージェンシーのプールを紹介するのは自然だ。これで決まり!
しかし、物事はうまく進まない…。
「飛行機が遅れてます…。」
南さんから悲しい知らせが入った。まさかの遅延。個室に籠って静かに待ってると、授業が終わったオジ旅メンバーが教室から出てきた。顔から達成感が溢れている。
「いやー、楽しかったー。これから外部施設の見学でしたっけ?」
「そうなんですが、小仲さんがバタバタしてるので、1時間ちょっとフリータイムです。また連絡します。」
「やったー。よーし、飲みに行こう!」
後ろ姿からも達成感がにじみ出ていた。
しばらくして飛行機が到着した。時間帯が悪くて、夕方の渋滞に巻込まれる。時間をかせがないといけない。
授業が終わったオジ旅メンバーはハリソンパークで飲み会中。ノーテンキなメールが届く。
「はやくしないと、もう1リットルビールを追加しちゃうよー。」
「小仲さんが生徒対応で忙しくてバタバタしてます。もうしばらくお待ちください!」
「忙しかったら、施設見学は明日でもいいよー。」
「明日は小仲さんが外出するから無理なんです。」
言い訳バッチリ。大嘘つきです。
1時間半遅れで南さんとタナカさんが到着。すばやくホテルのプールにタナカさんを案内して、南さんと学校に向かう。もう授業をする時間ではない。
建物の3階が英語学校、2階はフィリピン人の学校。2階には職員室があるので、南さんはその職員室でフィリピ人に紛れて仕事しててもらうことにした。
僕と小仲さんは3階に上がって。オジ旅にメールする。
「お待たせしました。こちらオッケーです。」
「はーい。このビール飲んだら向かいますー。」
いよいよだ。
しばらくすると、南さんからメールが届く。
「みんなからジロジロ見られてるんだけど…。大丈夫?」
頑張れ!即レスした。すぐにオジ旅からメールが。
「着きましたー。下で待ってますー。」
しまった…。3階に上がってきてもらう理由がない…。でも、上がってきてもらわないと2階に連れていけない。理由がないけど、上がってきてもらわないといけない…。
「すいません。上がってきてもらっていいですか?」
変なLINEスタンプが届いた。意味が分からないからスルーした。
しばらくしてオジ旅メンバーが現れた。
「下の階がフィリピン人の学校になってるので、外部ホテルを見に行く前にかるく紹介させてください。」
小仲さんがそう説明して、下の階に降りて行く。
小仲さんが頑張って誘導するが、みんな気付かない。
机をペンで叩いてアピールする南さん。しかし、「早く帰れ!」というメッセージだと感じたオジ旅メンバーは目線を外す。「ウォホ、ゴォホ、ウォへェ」不自然な咳払いをする南さん。その場を離れようとするオジ旅。すべてが悪循環。
我慢できなくなった南さんが種明かし(笑)。
オッジは気付いてたらしい。コグレさんは頭がおかしい人だと思ってたらしい。
そして、みんなで外部施設を見に行った。
まだ終わってない!
心配なことがあった。タナカさんを連れていったときはまだ明るかったが、もう日が暮れている…。真っ暗です。ひなたぼっこの時間ではない!
予定していた場所にタナカさんがいない!
暗くてよく分からない。
あれか?いや、違う。タナカさんはどこだ!
いた!
暗闇の中で、ツナギとサングラスの男がプールサイドに横たわって、こちらを見ている。
その姿を見て笑うオッジ!
「みんな遅いからビールいっぱい飲んじゃったよー。」
上品なプールサイドでオジサン8人が大爆笑!
酔っぱらう前に記念撮影!
南さん、タナカさん本当にありがとう!
この後は、いつものように深夜まで飲みました。どこで集まってもやってることは同じ。
こんなバカみたいなことをいつまでもやっていたい。