今回の社会科見学では、霧ヶ峰の最新2機種のレクチャーを受けました。
印象に残ったのは、説明してくださった方々がどちらも製品の開発担当者であり、現在は販売促進を担当されているという点。つまり、自分が作ったモノを自分で売っている、という事実です。
デザインにこだわった「FLシリーズ」の説明をしてくださった中洲さんは、もともとデザイナー。
まるでひとつのインテリアのようなデザインを実現するため、フロントパネルの材質や塗装方法にこだわったり、スクエアなフォルムを守るためにフィルターの自動清掃機能の実装を見合わせたり……と、開発中のさまざまな工夫や苦労を語ってくださいました。
そして、機能にこだわった「FZシリーズ」について話すのは、もともと設計技術者の松本さん。
ほぼ半世紀ぶりにエアコンの内部構造を一新して高い省エネ性能を目指したり、ふたつに分かれたプロペラと最新のセンサー技術「ムーブアイ極」を活用して繊細な温度管理を実現して快適性を向上させたり……と、技術面での革新的な取り組みをつぶさに教えてくださいました。
お二人に共通しているのは、とにかく「熱い!」ということでした。
いってみれば、我が子の成長ぶりを語るように、製品の開発ストーリーを本当に楽しそうに話してくだるのですよ。
そして、そうやって実際に開発に携わってきた「作る側」の方が、製品が完成したら、今度はそのまま「売る側」に回ったということです。誰よりも製品を熟知し、誰よりも溺愛している人たちが「売る」わけです。
そんなの「熱い」に決まっているじゃないですか。
そういう静岡製作所さんの姿勢と、このふたつの製品シリーズに賭ける思いが、ぼくにはとても眩しく感じられたのでした。