ダウンの目利きは「1日休むと取り戻すのに3日かかる」 #東京西川 #オジ旅PR

西川産業

といえるくらい、シビアな世界かもしれません。

西川レベックス宇都宮工場の品質管理室にお邪魔したオジ旅一行。まずは“ダウン”とはなんぞや、のお話を聞きました。Wikipediaを見ると「ガチョウアヒル等、鳥の(狭義の)羽毛、綿毛。」と書かれてあります。では実際に、鳥の羽毛のどの部分が使われているのでしょうか。

それは胸元のふわふわぶぶん。ええ胸毛です。インコとかも、胸毛はふわふわだったなー。

羽根の部分、フェザーは羽根枕などに使われることが多いそうです。ンが、そういえば10代の頃、バイトして買ったダウンジャケットは羽根がいつのまにか飛び出てきたことあったなー。あれはフェザーの割合が多い、普及価格帯の品だったということなのでしょうね。

さて羽毛ふとんの品質差&価格差。それはどの鳥のダウンを、どれだけ多く用いているかによって変わってきます。布団部分の作り込みもありますが、原材料の価格がそのまま製品の品質と販売価格に反映されるということですね。

例えばダウンの割合が多ければ多くなるほど、軽くて保温性も高い、高品質な羽毛ふとんが作れます。さらにダック(アヒル)よりも、グース(ガチョウ)のダウンを使ったほうが品質を上げることができる。

ダックとグースの違いは、ダウンの形状にあります。グースのほうがダウン自体が大きく、ふわふわとしたファイバーをつなげている節(羽枝)の部分が、鋭角な二等辺三角形の形状をしている。ダックの節は大きめで正三角形。

どちらも汗を吸って、水分を帯びてくると羽毛の部分がねじれて膨らまなくなってきます。けど、グースダウンはコシがあって乾燥させると元に戻りやすい。でもダックダウンは元に戻りにくい。ねじれたときに引っかかって、ダマのままになってしまいやすいんだそうな。

うおおお。今まで気にしたことなかった。そうか、だから長く使えるダウンジャケットはグースダウンを使ったもので、ゆえに高価ということだったのか!

ダウンの生産地によって羽毛ふとんやダウンジャケットの価格・格は変わってきます。でも中に何の鳥のダウンが使われているかもチェックしないと、いいお買い物はできない。ということなんですね。

西川レベックスには圧縮された状態のダウンが、海外から届きます。長くつきあいのある業者から輸入していることもあって品質に間違いはないのですが、それでもより純度の高いグースダウンの羽毛ふとんを作れるように、入荷時と洗浄後に組成選別試験を行います。

試験の内容は次のとおり。結果から混合率を算出します。

①3gの羽毛から、フェザーを指でブラッシングして選別(フェザー、ラージフェザー、損傷フェザー、陸鳥フェザー)
②フェザーファイバーを分別
③ダウンボール(良質なダウン)とファイバーなどを分別

フェザーとダウンの違いは、まだわかるかもしれません。でもフェザーのファイバーとダウンのファイバーを見分けるだなんて、無理難題すぎ。でも西川レベックスのみなさまは、ちょっとチェックしただけでどんどん分別していきます。

この目利きの技術、一週間も休んでしまうと衰えてしまうものなのだそうです。タイトルの「1日休むと取り戻すのに3日かかる」は言い過ぎかもしれませんが、個人的には楽器や格闘技を極めた方々の持つセンシビリティと同じものではないか、と思うのです。